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2拠点暮らしで仕事も子育ても両立 2拠点暮らしで仕事も子育ても両立

2拠点暮らしで仕事も子育ても両立

金澤 萌さん

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生活は広島県廿日市市、仕事の拠点は首都圏

左官業を営んでいる金澤さんは、2019年3月に埼玉県から、世界遺産の厳島神社があることで知られる広島県廿日市(はつかいち)市に移住した。ただし、仕事の拠点は埼玉県草加市に残したまま。壁塗りやタイル貼りといった本来の左官業にとどまらず、タイルの鍋敷き作り、漆喰(しっくい)のかまど作りなどといったDIYのワークショップや、廿日市市民を対象にした地元の再発見ツアーを行うなど、廿日市市と草加市の2か所を行き来して多彩な活動を行っている。

「もともと田舎志向がありました」と金澤さんは語り始めた。2010年に子供が生まれたことを機に、「都会で子育てをしたくない」と考えるようになった。やがて子供が小学生になり、具体的に移住を検討し始めた。といっても、仕事も暮らしも新たな土地で始める完全な移住ではなく、最初から2拠点での生活を考えていた。「東京など関東での仕事が忙しく、それが楽しかった。仕事の拠点として関東は離れられない。でも、地方で子育てしたい」というのが理由だ。

「初めは島暮らしをしてみたいと思って、実家のある広島に帰省するたびに瀬戸内海のいろんな島をまわっていました」というが、仕事場を置く関東との頻繁な移動を考えると島暮らしは現実的ではない。実家から1時間圏内で、関東への移動に便利な所を条件に、具体的に移住先を探し始めた。畑と仕事場にできる倉庫がついた物件が気に入り、廿日市市佐伯地域に移住した。岩国錦帯橋空港に比較的近く、新幹線より速く東京に行けるという立地の良さもポイントとなった。佐伯地域は、山間部と沿岸部の中間にある。海へも30分ほどで行くことができ、緑豊かな中山間地域で暮らしながら海も楽しめるのが魅力的だ。

職人に憧れ、左官の道を選ぶ

職人の世界に憧れていたという金澤さん。1998年に、大工を目指す女性を描いたテレビドラマを見て、「私もやってみたい」と思ったという。2001年に広島から離れ、大工などの実技を学べる、ものつくり大学(埼玉県)に入学。さまざまな建設技能を勉強する中で、「季節や天候によって材料の調合を変え、正解がない。作業も個性が大切で、とても自由な発想を生かすことができる」左官に興味を持つようになった。大学卒業後、在学時代からアルバイトをしていた左官会社に就職。その後、「親方」と慕う先輩が独立するのにともなって、その会社設立に参加した。

「建設現場は男性ばかりの男社会なのは今も変わりません。私の場合も、当時は、受け入れてくれた左官屋は就職した会社だけでした。でも、左官業は、繊細な感覚が必要で、むしろ女性に向いているのではないかと思います」と話し、ものつくり大学で非常勤講師を務めるほか、左官業を目指す女性を住み込みで受け入れるなど、後進育成にも力を入れている。

「家づくりの現場で実際に職人に対応するのは、夫より妻の方が多い。だからお客さんの側から見ても、男性だけで作業をするよりも、女性がいた方が安心できるという面があります。もっと女性が活躍できるようになってほしい」

自治体のイベントや各種支援の活用がお勧め

2005年に同じ業界の男性と結婚し、2013年に埼玉県草加市に「marumo工房」として独立。左官の仕事だけでなく、余ったタイルなど現場での残り物を活用した、さまざまな製作活動にも本腰を入れ始めた。仕事が忙しく、現場監督をゼネコンなどから請け負っている夫ともすれ違いの生活が続いた。

思い切って生活の場を廿日市市に移したことで、生活にゆとりができた。「埼玉にいるときは、時間に追われて、仕事のことしか頭にない、という状態でした。今は廿日市でも仕事をしていますが、月に1~2週間、首都圏でしっかり働いて、あとは廿日市でのんびり過ごすことを基本的な生活パターンとしています。夫も、今はリモートで現場監督の仕事をしています。子供も田舎暮らしを楽しんでいますし、家族と過ごす時間が増えたのが移住の大きなメリットですね」

時間に追われるように働いていた以前と比べると収入は減ったが、今の生活の方が「生活しているという実感があって、幸せな毎日。とても満足しています」と話す。

「私の場合、勢いで動いてしまうタイプで、たまたまうまくいったという面もあります。でも、いざ移住してみると、思っていたのと違ったということも出てくると思います。今は過疎で悩む多くの自治体が、移住者を増やそうと、移住体験などいろんなイベントを実施しています。そういったイベントに参加して、比較検討することで、自分に合う所を慎重に探すと良いと思います」と移住希望者へのアドバイスを語る。

金澤さんの場合、移住者支援として、住居の改修工事費や手続き費用の一部を廿日市市から補助してもらったほか、広島県から住居探しのための交通費の支給を受けた。「自治体ごとにいろんな補助があるので、きちんと調べて利用した方が良いでしょう」とさまざまな制度を活用して、慎重に検討することを勧めている。

PROFILE

金澤 萌さん

山口県出身。2019年3月に埼玉県から広島県廿日市市に移住。

  • 移住時の年代:30代
  • 家族構成:夫、子供
  • 移住スタイル:Jターン/2拠点居住
  • 職業:左官業

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